頭痛には大きく分けて、脳や体の病気が原因ではない「一次性頭痛」と、脳腫瘍やくも膜下出血など命に関わる病気のサインとして現れる「二次性頭痛」があります。一次性頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3つがあり、対処法がそれぞれ異なります。
一次性頭痛のタイプを見分ける
緊張型頭痛は、肩こりや眼精疲労がきっかけで起こる締め付けられるような痛みで、成人の約22〜30%が経験すると言われています。一方、片頭痛は、頭の片側がズキズキと脈打つように痛み、吐き気や嘔吐、光や音に過敏になる症状を伴うのが特徴です。日本頭痛学会の調査によると、本邦の年間片頭痛有病率は8.4%で、前兆のない片頭痛が5.8%、前兆のある片頭痛が2.6%と報告されています。特に30代女性の17.6%、40代女性の18.4%という有病率は、決して軽視できる数字ではありません。
群発頭痛は、目の奥がえぐられるような激痛が数週間から数ヶ月にわたって毎日のように起こるもので、男性に多いのが特徴です。いずれのタイプも「頭痛くらい」と放置せず、正確な診断を受けることが第一歩になります。
危険な頭痛のサイン
突然の激痛、今まで経験したことのない頭痛、発熱を伴う頭痛、手足のしびれや言葉のもつれを伴う頭痛は、二次性頭痛の可能性があります。このような症状がある場合は、迷わず脳神経外科や脳神経内科を受診してください。
頭痛専門医に相談するメリット
頭痛の診療は、薬を処方してもらうだけではありません。日本頭痛学会認定の頭痛専門医による診療では、問診と画像検査を組み合わせて正確な診断を行い、それぞれの頭痛タイプに合わせた治療計画を立てます。
近年注目されているのが、CGRP関連抗体製剤を用いた予防治療です。これは、片頭痛の発作そのものを予防する注射薬で、これまで月に何度も痛み止めを服用していた方でも、発作の頻度を大幅に減らせる可能性があります。福井市のはやせ脳神経頭痛クリニックのように、オンライン診療に対応している医療機関も増えており、仕事や育児で通院が難しい方でも受診しやすくなっています。
頭痛専門医との診療では、頭痛ダイアリーをつけることが推奨されます。いつ、どのくらいの強さで、どんな時に頭痛が起こったかを記録することで、治療の効果を正確に評価できるだけでなく、自分自身の頭痛のトリガー(誘因)を見つける手がかりにもなります。
頭痛との付き合い方を変える実践的なステップ
頭痛の治療は、薬だけに頼る必要はありません。生活習慣の見直しと適切な医療の組み合わせで、頭痛の頻度や強さを軽減できるケースが多くあります。
毎日の記録から始める
まずは2週間から1ヶ月、頭痛ダイアリーをつけてみましょう。睡眠時間、食事内容、天気、ストレス、生理周期などを記録すると、頭痛が起こるパターンが見えてきます。市販の頭痛薬を月に10回以上使用している方は、薬剤の使い過ぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)のリスクがあるため、早めに専門医に相談するのが良いでしょう。
地域の医療資源を活用する
頭痛の診療は、脳神経外科、脳神経内科、ペインクリニック(痛み外来)など、さまざまな診療科で受けることができます。愛媛大学医学部附属病院の麻酔科蘇生科のように、ペインクリニックでは頭痛専門医と連携しながら、薬物療法に加えて神経ブロックなどの治療を提供している施設もあります。
かかりつけ医に相談して紹介状を書いてもらう方法や、日本頭痛学会のホームページで認定専門医を検索する方法があります。オンライン診療に対応している医療機関も増えているので、通院が難しい方は選択肢に加えてみてください。
受診の目安と治療の選択肢
受診を検討する目安として、以下のような場合が挙げられます。頭痛のために仕事や学校を休むことがある、市販薬の効果が感じられない、頭痛が週に2回以上ある、吐き気や光過敏を伴う頭痛がある。こうした状態が続くようであれば、医療機関への相談を検討しましょう。
治療の選択肢は、急性期の痛みを抑える頓服薬と、発作そのものを予防する予防薬に大別されます。CGRP関連抗体製剤を含む予防治療は、片頭痛の頻度が高い方にとって選択肢の一つです。治療費は使用する薬剤や医療機関によって異なりますが、健康保険が適用される範囲で受けられる治療が中心です。
頭痛は我慢するものではなく、適切な診断と治療で改善できるものです。頭痛ダイアリーを手に、まずは頭痛専門医の門を叩いてみてはいかがでしょうか。つらい頭痛とさよならできる日は、思っているより近いかもしれません。