コロナ禍による半導体不足の影響で新車の供給が滞り、中古トラックの流通量が不足している状況が続いています。2024年の新車販売台数は前年を上回ったものの、2019年の水準と比べると約7割程度までしか回復しておらず、中古車市場の需給バランスは依然として引き締まっています。このため、状態の良い中古トラックは比較的高値で取引される傾向にあります。
日本国内の主要メーカーである日野、いすゞ、三菱ふそう、UDトラックスは、いずれも中古市場での流通量が豊富です。メーカーごとに得意とする車格や特徴が異なるため、使用用途に合わせて選ぶことが大切です。
人気の車格と主な用途
| 車格 | 代表的な用途 | 中古相場の目安 | 特徴 |
|---|
| 小型(2tクラス) | 宅配・引っ越し・軽貨物 | 100万円〜300万円 | 普通免許で運転可能、小回りが利く |
| 中型(4tクラス) | 配送・建設資材運搬 | 300万円〜600万円 | 長距離運送も可能、汎用性が高い |
| 大型(10tクラス) | 長距離輸送・工業製品運搬 | 500万円〜900万円 | 大量輸送に対応、大型免許が必要 |
| なお、上記はあくまで市場の目安であり、年式や走行距離、車両のコンディションによって大きく変動します。 | | | |
中古トラックを購入する際のチェックポイント
中古トラックの購入では、乗用車の中古車選びとは異なる視点が必要です。商用車であるため、稼働状況や整備履歴が車両の状態に直結します。
走行距離と稼働年数を見極める
トラックの寿命は乗用車と比較して長く、適切にメンテナンスされていれば20万キロ以上走行している車両でも十分に実用に耐えます。ただし、長距離輸送に使われていた車両と、都市部での配送に使われていた車両では、エンジンやブレーキの消耗具合が異なります。
整備記録がしっかり残っている車両は、たとえ走行距離が多めでも安心して購入できるでしょう。逆に、整備履歴が不明瞭な車両は価格が安くても後々の修理費用がかさむリスクがあります。
ボディタイプを用途に合わせて選ぶ
トラックの荷台形状は、平ボディ、バン、ウィング、アルミバン、冷凍車など多岐にわたります。それぞれにメリットとデメリットがあり、運ぶ荷物の種類によって最適な選択肢が変わります。
平ボディは荷台が平らで開放的な構造のため、形状を問わずさまざまな荷物を積むことができ、中古市場でも流通量が多いタイプです。荷物の積み下ろしがしやすく、購入価格も比較的抑えめです。一方で、雨風に弱く、荷崩れのリスクがある点には注意が必要です。
バンタイプは荷物を雨風から守れるため、精密機器や食品の配送に適しています。ウィングタイプは両側の扉が開くため、フォークリフトでの積み下ろしがしやすく、倉庫業務との相性が良いです。
メーカーごとの特徴を理解する
日野と三菱ふそうは大型トラックに強みがあり、長距離輸送をメインに考えている場合は選択肢として有力です。いすゞは中型クラスの信頼性が高く、配送業界での採用実績が豊富です。UDトラックスは北欧由来の設計思想を持ち、燃費性能に定評があります。
メンテナンス面では、全国にサービス拠点が多いメーカーを選ぶと、万が一の故障時にも対応がスムーズです。特に地方での事業展開を考えている場合は、地域密着型の整備工場が扱っているメーカーを選ぶのも一つの方法です。
購入ルートの選び方
中古トラックの購入ルートは主に三つあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自身のニーズに合わせて選びましょう。
ディーラーでの購入
正規ディーラーでの購入は、車両の品質が比較的高く、保証やアフターサービスが充実しているのが特徴です。購入後の整備や点検もディーラーに依頼できるため、初めて中古トラックを購入する方には安心感があります。その分、販売価格は高めに設定されている傾向があります。
中古トラック専門店での購入
複数のメーカーを取り扱っている専門店では、車両の比較検討がしやすいのが利点です。ディーラーより価格が抑えめで、在庫車両が多いため、納車までのリードタイムが短いことも魅力です。店舗によっては整備工場を併設しており、購入後のメンテナンスも依頼できます。
ネットオークションでの購入
低コストで購入できる可能性がある一方で、車両の状態が出品者の自己申告に基づくため、ある程度の目利きが必要です。現車確認ができる場合は直接確認することをおすすめしますが、保管場所が遠方の場合は輸送コストも考慮する必要があります。
維持費とランニングコストの把握
中古トラックの購入費用だけでなく、その後の維持費も事前に把握しておくことが重要です。自動車税、任意保険、車検費用、燃料費、定期点検費用などが主なランニングコストになります。
車検は商用車の場合、新車から2年目以降は毎年受検が必要です。車検費用は車格や整備内容によって大きく異なりますが、まとまった費用が定期的に発生することを見込んでおきましょう。また、商用車の任意保険は事業用となるため、個人用と比べて保険料が高くなる傾向があります。
燃費は車格や積載状況によって変わりますが、近年のモデルは排出ガス規制への対応とともに燃費性能も向上しています。走行距離が多い事業者ほど、燃費の良い車両を選ぶことのメリットは大きくなります。
購入時の手続きと注意事項
中古トラックの購入時には、車両の名義変更やナンバープレートの変更など、いくつかの手続きが必要です。事業用として使用する場合は、運送業を営むための許可が別途必要になるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
また、中古トラックを購入する際は、車両の修復歴の有無も重要なチェックポイントです。事故で大きな損傷を受けた車両は、フレームが修正されていることがあり、走行安定性に影響を与える可能性があります。修復歴のある車両は価格が安い反面、安全性の面でリスクを伴うため、購入前に必ず確認しましょう。
まとめ
中古トラックの購入は、新車と比べて初期費用を抑えられるだけでなく、用途に合わせて多様な車両から選べる点が大きな魅力です。市場の需給状況やメーカーごとの特徴、車両の状態を見極める目を持つことで、納得のいく一台に出会えるでしょう。
購入を検討する際は、まず自身の運送ニーズと予算を明確にし、そのうえで複数の購入ルートを比較してみてください。信頼できる販売店を見つけることが、長く快適にトラックを運用するための第一歩です。